jamsworldの徒然なる雑記帖

主に書籍感想を掲載します。その他にはデジタルガジェット購入記録や日々の雑記帳等として。

歴史小説

「一睡の夢 家康と淀殿」を読んだ感想

「幸村を討て」のような戦中心の話ではなく大阪夏の陣に至る過程を、家康と淀殿のそれぞれの親子関係を丁寧に書かれた歴史小説です。関ヶ原合戦から14年間も期間を経たうえで最後の戦いに至るので、そこに到達するまでに色々と社会変動が起きていますが(大…

「馬上の星 -小説・馬援伝」を読んだ感想

今年1冊目は、宮城谷昌光氏の最新作である「馬上の星 -小説・馬援伝」です。後漢建国に力を尽くした馬援が主人公の小説ですが、光武帝・劉秀に仕える前の前半生を中心に人が自由に生きるためにはどうすればよいのか?を投げかけるお話でした。お正月に一気読…

「天下大乱」を読んだ感想

徳川家康と毛利輝元を軸に関ケ原の戦いまでを群像劇とした物語でした。今年の大河ドラマのように戦のシーンはほとんどなく、登場人物の会話だけで成り立っていましたが、そこそこ面白かったです。著者は色々と実験的な書き方をされているようで、最近は当た…

「北条氏康-河越夜襲篇」を読んだ感想

久しぶりに軍配者シリーズ著者の「北条氏康」の続編です。今川義元や武田信玄等が登場してきて賑やかな話ではありましたが、ちょっとマンネリ感がして、川越夜襲の戦いも、あまり盛り上がりませんでした。若い時に比べて、読むペースが落ちてきているなぁと…

「家康が最も恐れた男たち」を読んだ感想

来年の大河ドラマに便乗した徳川家康が主人公の歴史小説です。家康が対峙した相手との事を物語とすることで、天下統一までの記憶をたどるお話でした。特に目新しいものはなく、可もなく不可もなしなお話でした。2022年:49冊目 評価:☆☆☆ 家康が最も恐れた男…

「馬廻役仁義」を読んだ感想

三河雑兵心得シリーズの10巻目です。前の巻では、最後に討ち死にシーンで引いて終わりましたがその後の捕らえられた状態からのスタートでした。作中でも語られていましたが、地震によって武田家は滅亡して、地震によって徳川家は首の皮一つ繋がったというの…

「上田合戦仁義」を読んだ感想

足軽出世すごろくの第9弾です。いよいよ最新刊まで読み進めました。真田昌幸が良い味を出していますが、最後に主人公が討ち死にしたような感じで引いて終わるところで本巻は終わりましたが、続きが気になります。次の巻では真田信之に助けられて、その縁で本…

「小牧長久手仁義」を読んだ感想

足軽出世すごろくの第8弾です。2022年:43冊目 評価:☆☆☆ 三河雑兵心得 : 8 小牧長久手仁義 (双葉文庫) 作者:井原忠政 双葉社 Amazon ついに五ヶ国の太守となった家康。 新たな実力者、秀吉との間に戦乱の気運が高まる中、茂兵衛は、信州惣奉行、大久保忠世…

「伊賀越仁義」を読んだ感想

足軽出世すごろくの第7弾です。2022年:42冊目 評価:☆☆☆ 三河雑兵心得 : 7 伊賀越仁義 (双葉文庫) 作者:井原忠政 双葉社 Amazon 信長、本能寺に死す! 驚愕の報せに慌てふためく家康主従。突如、敵地と化した畿内を脱出するため、一行は「伊賀越え」を決意…

「鉄砲大将仁義」を読んだ感想

足軽出世すごろくの第6弾です。仮想の人物なので、そろそろ出世も限界?に近づいてきて、話に無理が出てきたような感じです。2022年:41冊目 評価:☆☆☆ 三河雑兵心得(6) 鉄砲大将仁義 (双葉文庫) 作者:井原 忠政 双葉社 Amazon 4年に及ぶ国境の砦番を解かれ…

「砦番仁義」を読んだ感想

足軽出世すごろくの第5弾です。2022年:40冊目 評価:☆☆☆ 三河雑兵心得 砦番仁義 (双葉文庫) 作者:井原 忠政 双葉社 Amazon 長篠の戦いで、ついに宿敵・武田を破った織田徳川連合軍。 だが、ここ遠江から武田勢がすべて去ったわけではない。 武田側の拠点で…

「弓組寄騎仁義」を読んだ感想

足軽出世すごろくの第4弾です。2022年:39冊目 評価:☆☆☆ 三河雑兵心得 弓組寄騎仁義 (双葉文庫) 作者:井原 忠政 双葉社 Amazon 三方ヶ原の敗戦で織田との同盟が揺らぐ中、信玄の跡を継いだ勝頼が再び遠江に侵攻してきた。 決戦の地は長篠!ついに最大最強の…

「足軽小頭仁義」を読んだ感想

待望の第3巻です。いよいよ足軽小頭になって、部下の足軽を率いる立場になり活躍が楽しかったですが、簡単に部下の足軽が死んでしまう事も戦国時代ならではかな。表紙の絵がちゃんと主人公の成長状態を表現しており良い感じ。2022年:37冊目 評価:☆☆☆ 三河…

「旗指足軽仁義」を読んだ感想

足軽仁義シリーズの2巻目です。戦国時代を足軽の目を通して語る物語は新鮮です。戦の勝敗を分けるような手柄を立てる訳ではないですが、リアリティがあって非常に楽しいです。久しぶりに続編が楽しみなシリーズものです。2022年:36冊目 評価:☆☆☆ 三河雑兵…

「足軽仁義」を読んだ感想

名もなき足軽・雑兵を主人公にした歴史小説です。桶狭間の戦い後の三河一向一揆からスタートしましたが、続刊が多く出ているようなので今後の活躍が非常に楽しみです。久しぶりに何も考えずに楽しんで読める娯楽小説でした。2022年:35冊目 評価:☆☆☆ 三河雑…

「公孫龍 巻二 赤龍篇」を読んだ感想

読了してから少し経っていますが、2巻も引き続き面白い内容でした。楽毅も登場してきて、この後どのような物語になるのか楽しみです。単行本化されるペースがそれほど早くないので、次の巻が出た時には前の巻を読み返してから始めないとけっこう忘れてしまっ…

「布武の果て」を読んだ感想

堺の商人・茶人である今井宗久、千宗易、津田宗及の3人の視点から織田信長との関係を中心に物語が進みます。一向宗門徒である本多正信など、面白い関わりもありましたが茶人である前に商人としての有りようを感じる、そんなお話でした。本能寺の変が明智光秀…

「孤剣の涯て」を読んだ感想

宮本武蔵を中心に色々と盛り込んだ話でしたが、途中からストーリーの先が見えてしまいました。著者の処女作であった「宇喜多の花嫁」は独特の暗さがあった面白い歴史小説でしたが、本作はちょっと個人的には今一つの内容でした。2022年:25冊目 評価:☆☆☆ 孤…

「天下を買った女」を読んだ感想

伊東潤氏の「日野富子」を主人公にした最新著作です。将軍御台所としてどのように応仁の乱前後を生き抜いたのかを改めて知ることが出来ました。帝との関係については、タブーに切り込んだのかもしれないけれど、ちょっとあまり意味が感じられなかった点は残…

「幸村を討て」を読んだ感想

直木賞受賞作「塞王の楯」に続いての本書ですが、真田幸村の兄である真田信之視点での話は非常に読み応え十分な内容でした。確かに、今まであまり気にも留めていなかった「信繁」という名前と「幸村」についてこのような「思惑」があったのか?と思わせるよ…

「高望の大刀」を読んだ感想

桓武天皇の孫である平 高望を主人公にしたライトノベル?のような小説でした。第13回日経小説大賞受賞作という事で期待して読み始めましたが、個人的に好きな骨太の歴史小説ではなかったですが、平安末期の雰囲気を何となく感じることが出来るお話でした。20…

「津軽戦国始末」を読んだ感想

津軽為信を主人公にした津軽地方の戦国物語です。津軽為信その人は、南部家からの独立を果たして、戦国時代を最後まで生き抜いた武将なので、もっと深堀・味付けしたら非常に面白い歴史小説にはなったと思いますが、歴史小説と言えるほどの分量ではなく、郷…

「信長、鉄砲で君臨する」を読んだ感想

種子島への鉄砲伝来から、最後は本能寺の変で鉄砲によって終わる話です。戦国時代の戦いが鉄砲によって、どのように変化したかが良くわかるお話でした。明治維新も侍から洋式銃による民兵へと変化する時代だったと思いますが、そのような変化が戦国時代にす…

「畠山重忠-武者の世を創った漢-」を読んだ感想

今年の大河ドラマは「鎌倉殿の13人」ですが、本書はその中でも中川大志さんが演じる「畠山重忠」を主人公にした歴史小説です。畠山重忠が先陣を任された奥州征伐に関しては意外と藤原氏も抵抗していたんだなと再発見です。大河ドラマとは違って、鎌倉幕府の…

「趙雲伝」を読んだ感想

久しぶりに塚本青史氏の著作を読みました。趙雲子龍視点で地方軍閥である「公孫 瓚」を中心とした前半の三国志時代の話は、あまり詳しく知らなかった事もあり面白かったです。范彊との関係など、新しい視点での創作?も入っていて楽しめました。数年前は、津…

「家康(三)長篠の戦い」を読んだ感想

これで前半戦が終了です。長篠の戦いが、家康の手柄になっているところはちょっと、贔屓の引き倒しになっているような気もしましたが、佐久間信盛とのやり取りはこれまでの経緯含めて納得感がありました。織田信長の水野信元に関する扱いは、戦国の無常を感…

「家康(二) 三方ヶ原の戦い」を読んだ感想

三方ヶ原の戦いを中心と話です。馬場信房との話など、如何にもありそうなエピソードです。2022年:6冊目 評価:☆☆☆ 家康(二) 三方ヶ原の戦い (幻冬舎時代小説文庫) 作者:安部龍太郎 幻冬舎 Amazon 時は大航海時代。世界を見据えた信長の先見性に圧倒されな…

「家康(一)信長との同盟」を読んだ感想

だいぶん前に単行本で1巻を読みましたが、電子書籍で文庫本が安くで販売されていたので、改めて読み直しています。徳川家康に関しては、来年の大河ドラマも期待していますがこの「家康」もなかなか面白いです。2022年:5冊目 評価:☆☆☆ 家康(一) 信長との…

「戦百景 桶狭間の戦い」を読んだ感想

ライトノベル的な歴史小説でした。サクサク読めますが、それだけのような感じです。後に残るものは少なかったです。2022年:4冊目 評価:☆☆ 戦百景 桶狭間の戦い (講談社文庫) 作者:矢野隆 講談社 Amazon 事の起こりは今川義元敗死の6年前に遡る。天文23年(…

「真・慶安太平記」を読んだ感想

知恵伊豆こと、松平信綱と保科正之の政争を中心とした由井正雪の乱をミステリー仕立てにした物語です。ただ、保科正之側からすると、松平信綱から常に悪意ある見方をされているだけの話だったかも。それぞれが、自己の正義を貫くとこんな結末になるのかもし…