jamsworldの徒然なる雑記帖

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「一睡の夢 家康と淀殿」を読んだ感想

「幸村を討て」のような戦中心の話ではなく大阪夏の陣に至る過程を、家康と淀殿のそれぞれの親子関係を丁寧に書かれた歴史小説です。
関ヶ原合戦から14年間も期間を経たうえで最後の戦いに至るので、そこに到達するまでに色々と社会変動が起きていますが(大久保長安の問題など)、考えてみると本当に徳川家康の精神力と健康に対する意識にあらためて驚嘆します。
500ページ近い大作でしたが、久しぶりに読み応え十分な内容でした。

2023年:5冊目 評価:☆☆☆☆

先に尽きるのは家康の寿命か、豊臣家の命脈か。 まったく新しい「家康像」を描き出した本格歴史小説! 時は「大坂の陣」の数年前――。いまだ盤石でない徳川幕府を案じる老齢の家康は、二代将軍である息子・秀忠を揺るぎない天下人にするための体制づくりを急いでいた。一方、豊臣家の威信凋落を肌身で感じる淀殿は、愛息・秀頼の復権に向けた効果的な打開策を見つけられず、焦燥感を募らせていた。宿命と因縁に翻弄され、矜持と野心の狭間で揺れ動く二人は、やがて雌雄を決する最期の戦いに、それぞれ活路を見出そうとするが……。 父であるが故の、母であるが故の苦悩と喜び。親が子に寄せる想いが時代を動かす――。 己の「死」の先に見出そうとした「希望」とはいったい何だったのか?