jamsworldの徒然なる雑記帖

主に書籍感想を掲載します。その他にはデジタルガジェット購入記録や日々の雑記帳等として。

歴史小説

「奇貨居くべし」を読んだ感想

『奇貨居くべし』は、秦の宰相・呂不韋が若い頃に商売を行っていたことで知られます。ある日、秦の太子安国君の子、子楚が趙に人質として送られてきた際、呂不韋は彼を商品に見立て、うまく利用しようと考えます。その後、呂不韋は宰相となり、秦国で大いに…

「軍師の門」を読んだ感想

『軍師の門』は、火坂雅志さんが手掛けた小説です。物語は、戦国時代の軍師・竹中半兵衛と黒田官兵衛の友情を描いています。半兵衛は、豊臣秀吉に仕え、その才能を発揮して日本の歴史を変える大きな役割を果たしました。一方、官兵衛は、半兵衛と出会い、彼…

「長篠忠義 北近江合戦心得〈三〉」を読んだ感想

浅井家重臣だった遠藤与一郎が、主家再興のため、仇である織田信長麾下の羽柴秀吉に、足軽から仕えることとなった。潜行していた越前で、徳川家重臣・大賀弥四郎が敵の武田勝頼に内応しているという情報を掴んだ与一郎ら一行は、長篠の戦いに参加することに…

「長島忠義 北近江合戦心得〈二〉」を読んだ感想

元亀元年(1570年)6月28日に行われた姉川の合戦を舞台に、弓の名人・遠藤与一郎が再び登場します。物語は、浅井・朝倉勢と織田・徳川勢が激突した合戦で、与一郎が足軽から身を立てていく姿が描かれています。2023年:43冊目 評価:☆☆☆ 長島忠義 北近江合戦…

「姉川忠義 北近江合戦心得〈一〉」を読んだ感想

元亀元年(1570年)6月28日に行われた姉川の合戦を舞台に、弓の名人・与一郎が初陣を迎える様子が描かれています。物語は、浅井・朝倉勢と織田・徳川勢が激突した合戦で、友軍の敗走により孤立した浅井勢の中で、与一郎が父の仇を討ち、浅井家再興のために奮…

「天を測る」を読んだ感想

幕末維新の動乱期に、幕臣である小野友五郎が、アメリカ人相手に互角の算術・測量術を披露し、その後も活躍した姿を描いています。友五郎は、咸臨丸で初めて太平洋を横断し、卓越した測量技術で国防の中枢を担った男です。2023年:41冊目 評価:☆☆☆☆ 天を測…

「真田の具足師」を読んだ感想

戦国時代の具足師に焦点をあてるストーリーは良かったですが、すべての話に唐突感がありすぎて、少し勿体ない小説になっているように思いました。あと、毛利勝永の紹介時に山内氏の家臣との記述になっている点があり、関ヶ原合戦後の状態(預かり監視)から…

「ふりさけ見れば 下」を読んだ感想

吉備真備、阿倍仲麻呂という古代日本人の活躍が描かれており、歴史を感じる小説でした。今のように交通手段や通信手段がない中で、海外に色々なものを背負って出かけていくことで新しいことにチャレンジする内容に心躍る壮大なストーリーでした。今のところ…

「三河雑兵心得 【十二】-小田原仁義」を読んだ感想

いよいよ小田原攻めです。戦国最後の大戦ですが、その中でも山中城攻めを詳しく描いており、読み応え十分な内容でした。2023年:38冊目 評価:☆☆☆ 三河雑兵心得 : 12 小田原仁義 (双葉文庫) 作者:井原忠政 双葉社 Amazon 秀吉による天下統一の総仕上げとし…

「ふりさけ見れば 上」を読んだ感想

遣唐使として唐に渡った阿倍仲麻呂が、日本の朝廷から命じられた秘密の任務を遂行するために、唐政界の中枢を泳ぎながら、上司や親友、現地でめとった妻をも欺かねばならないというストーリーです。当時の日本の置かれた立場や、越えなければならない壁につ…

「公孫龍 巻三 白龍篇」を読んだ感想

公孫龍が燕国の名将・楽毅の補佐として、魏・韓・趙の三国に対する大戦略を支えます。この機会にもう一度、昔読んだ「楽毅」を読み返してみようと思います。2023年:35冊目 評価:☆☆☆ 公孫龍 巻三 白龍篇 作者:宮城谷 昌光 新潮社 Amazon 周王朝の王子という…

「光秀の定理」を読んだ感想

明智光秀の本能寺の変をメインにした話ではなく、明智光秀の横にいた武芸者と僧侶を主人公に、彼が生きた時代や人物、そして彼の思想や行動に迫ります。この小説は、厳然たる「定理」が歴史と人生を解き明かす、全く新しい歴史小説として誕生したとされてい…

「極楽征夷大将軍」を読んだ感想

足利尊氏と足利直義の2人の兄弟と足利家の執事である高師直を中心とした歴史小説です。垣根 涼介氏の歴史小説は、何らかの原則を突き詰めていくプロセスを軸に話を進めますが、今回は「世間」という捉えることが難しい内容を、足利尊氏の成長?と上手くリン…

「津軽の髭殿」を読んだ感想

戦国時代末期から江戸時代初期にかけて、津軽地方を支配した津軽為信の生涯を描いた歴史小説です。 津軽為信は、本州最北の地・津軽に生まれた餓鬼大将で、母に「大将軍になりなされ」と言われて育ちました。彼は津軽を足がかりにして天下に覇を唱えようとし…

「家康の選択 小牧・長久手」を読んだ感想

この本は、天正12年(1584年)に起きた羽柴秀吉と織田信雄・徳川家康の間の戦いを描いた歴史小説です。 この戦いは、織田信長の後継者争いの中で、秀吉が信雄を攻めるために出兵したものです。しかし、信雄は家康と同盟を結び、尾張国の小牧山城に籠城しまし…

「ふたりの本多」を読んだ感想

タイトルは、ふたりの本多となっていますが、本多忠勝ではなく、本多正信が主人公の小説です。本多正信を主人公にする小説は少ないので、興味を持って読みましたが、内容的には今一つでした。題材は良かったので、惜しい。2023年:25冊目 評価:☆☆☆ ふたりの…

「家康 (八) 明国征服計画」を読んだ感想

小田原征伐後の関東への移転と朝鮮出兵が中心の話でしたが、タイトルにあるように本当に秀吉が明国の征服を考えていたのかは不明ですが、キリスト教との兼ね合い等色々と背景はあるのかもしれませんが、今の時代のロシアと同じように、独裁者はある日突然他…

「家康(七)秀吉との和睦 」を読んだ感想

局地戦では勝利しましたが、大地震が無ければその後の家康の位置づけも違ってきていたかもしれません。その意味でも、何事にも良いタイミングというものはあるものですね。意外とこのシリーズでの秀吉は、悪い感じには書かれていなかったです。2023年:22冊…

「家康〈六〉 小牧・長久手の戦い」を読んだ感想

局地戦に強い家康の真骨頂が、小牧・長久手の戦いでは存分に活かされたと思います。 2023年:21冊目 評価:☆☆☆ 家康(六) 小牧・長久手の戦い (幻冬舎時代小説文庫) 作者:安部龍太郎 幻冬舎 Amazon 秀吉は暗躍するイエズス会を通じ、光秀の裏切りを事前に知っ…

「家康〈五〉 本能寺の変」を読んだ感想

本能寺の変の裏で切支丹の蠢動があったとの説は、なるほどなぁと思いました。確かに山崎の戦では、切支丹武将が先陣で戦っていたので、面白い着眼点でした。その後の神君伊賀越えと本多正信の合流の流れも驚きでした。いつも本多正信は、いつの間にか家康の…

「家康〈四〉 甲州征伐」を読んだ感想

今年の大河ドラマは「どうする家康」ですが、こちらの小説を原作にしていたらもう少し面白く見応えあるドラマになっていたのでは?と思います。長篠の戦以降の武田家との攻防が描かれていますが、築山殿と信康の箇所なども丁寧に納得感のある内容でした。 20…

「猛き朝日」を読んだ感想

朝日将軍こと、木曾義仲に関する小説です。木曾義仲を主人公にした小説は初めて読みましたが、昨年の大河ドラマでも、非常に魅力ある武将として描かれていましたが、平家打倒の一番槍としての功績は色あせないものだと思いました。それにしても、源頼朝の上…

「三河雑兵心得【十一】-百人組頭仁義」を読んだ感想

久しぶりの「三河雑兵心得」の新刊です。安定の面白さです。いよいよ次巻は、小田原の北条征伐でしょうか。 2023年:16冊目 評価:☆☆☆ 三河雑兵心得 : 11 百人組頭仁義 (双葉文庫) 作者:井原忠政 双葉社 Amazon 家康の馬廻から百人組頭として戦場に復帰とな…

「茜唄(下)」を読んだ感想

源義経に対してのキャラ付けと壇ノ浦の戦いの意味づけを新しくされていましたが、大河ドラマを見た後だと、キャラ付けについては、もう少し違った感じでも良かったように思いました。壇ノ浦の戦いの後、平家ゆかりの人が京都に戻っていたという事実は新しい…

「茜唄(上) 」を読んだ感想

平知盛を中心にした平家物語のお話でした。戦の勝敗は紙一重という事を上手く表現されていました。2023年:13冊目 評価:☆☆☆ 茜唄(上) 作者:今村 翔吾 角川春樹事務所 Amazon これは、戦の唄。 これは、涙の唄。 これは、希望の唄。 直木賞作家・今村翔吾が…

「家康の血筋」を読んだ感想

徳川家康の息子達に焦点を当てた歴史小説です。それぞれ個性豊かな人物でしたが、松平忠輝については、家康の死後に幽閉されますが色々と物語を空想出来る人物です。これらの息子達の中から、2代将軍秀忠に後を託したことで、江戸幕府300年が続いたので結果…

「継ぐ者」を読んだ感想

徳川家康と嫡男の松平信康を中心にした話。途中までは丁寧に徳川家康の戦国大名としての活動が語られていたのですが、いきなり三方ヶ原になって、そのあとはすぐに長篠の戦という、ちょっと時間軸が飛んでしまう話の展開でした。。。松平信康が武田家に繋が…

「友よ」を読んだ感想

赤神 諒さんの最新著作は、長宗我部信親を主人公にした物語でした。歴史にifは無いですが、戸次川の戦いで戦死しなければ、後の関ヶ原合戦での長宗我部家の結果も変わってきたかもしれません。2023年:9冊目 評価:☆☆☆ 友よ 作者:赤神 諒 PHP研究所 Amazon …

「御家の大事」を読んだ感想

非常に丁寧に歴史上の人物を描く近衛龍春氏の最新著作です。今回は、5作の短編集でした。細川興秋については、島原の乱後まで生き抜いたところなど、本当か?と思うような話ですが、楽しく読むことが出来ました。2023年:7冊目 評価:☆☆☆ 御家の大事 作者:近…

「残照」を読んだ感想

久しぶりの田中芳樹氏の書き下ろし作です。アルスラーン戦記の最後は微妙な感じでしたが今回の「残照」は、氏が得意とする中国歴史モノ小説です。西の果てに沈む太陽を見たいとの夢を実現するためにはるばる遠征していくストーリーをモンゴル帝国の広がりに…