jamsworldの徒然なる雑記帖

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「極楽征夷大将軍」を読んだ感想

足利尊氏足利直義の2人の兄弟と足利家の執事である高師直を中心とした歴史小説です。垣根 涼介氏の歴史小説は、何らかの原則を突き詰めていくプロセスを軸に話を進めますが、今回は「世間」という捉えることが難しい内容を、足利尊氏の成長?と上手くリンクした話に仕上げていました。

太平記とは違った面白さでした。

2023年:31冊目 評価:☆☆☆☆

史上最も無能な征夷大将軍 やる気なし 使命感なし 執着なし なぜこんな人間が天下を獲れてしまったのか? 動乱前夜、北条家の独裁政権が続いて、鎌倉府の信用は地に堕ちていた。 足利直義は、怠惰な兄・尊氏を常に励まし、幕府の粛清から足利家を守ろうとする。やがて天皇から北条家討伐の勅命が下り、一族を挙げて反旗を翻した。 一方、足利家の重臣高師直は倒幕後、朝廷の世が来たことに愕然とする。 後醍醐天皇には、武士に政権を委ねるつもりなどなかったのだ。 怒り狂う直義と共に、尊氏を抜きにして新生幕府の樹立を画策し始める。 混迷する時代に、尊氏のような意志を欠いた人間が、 何度も失脚の窮地に立たされながらも権力の頂点へと登り詰められたのはなぜか? 幕府の祖でありながら、謎に包まれた初代将軍・足利尊氏の秘密を解き明かす歴史群像劇。