jamsworldの徒然なる雑記帖

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「猛き朝日」を読んだ感想

朝日将軍こと、木曾義仲に関する小説です。
木曾義仲を主人公にした小説は初めて読みましたが、昨年の大河ドラマでも、非常に魅力ある武将として描かれていましたが、平家打倒の一番槍としての功績は色あせないものだと思いました。それにしても、源頼朝の上手さが余計に印象強く残りました。
巴御前との関係についても良い感じでした。
(ちなみに本作での巴御前精霊の守り人バルサのようなキャラ付けに感じました)
最近読んだ平家物語の「茜唄」側から見た、木曾義仲とダブって見えて、両方を読むと面白さ倍増です。

2023年:17冊目 評価:☆☆☆

「彼の一生は失敗の一生也。彼の歴史は蹉跌の歴史也。彼の一代は薄幸の一代也。然れども彼の生涯は男らしき生涯也。」――芥川龍之介 平安末期。十二歳の少年・駒王丸は、信濃国木曽の武士・中原兼遠の養子として、自然の中でのびのびと育つ。兼遠の息子たちとも実の兄弟のように仲良く過ごすが、彼は父と母の名も自分が何者なのかも、いまだ知らずにいた。 ある日、駒王丸はささいなきっかけから、同じく信濃の武士の子・根井六郎と喧嘩になる。だが、同等の家格であるにもかかわらず、六郎と根井家当主が後日謝罪に訪れる。二人は畏れ多そうに深々と頭を下げて言う。 「駒王丸殿はいずれ、信濃を束ねる御大将となられる御方。我ら信濃武士は、ゆくゆくは駒王丸殿の旗の下に集わねばならぬ」 初めて知る実父の存在、自らの壮絶な生い立ち。駒王丸、のちの木曽義仲の波乱の生涯が始まろうとしていた。 類い希なる戦の腕で平家を追い落とし、男女貴賤分け隔てない登用で、頼朝・義経より早く時代を切り拓いた武士。 彼が幕府を開いていれば、殺戮の歴史はなかったかもしれない。 日本史上最も熱き敗者、「朝日将軍」木曽義仲の鮮烈なる三十一年。