「津軽の髭殿」を読んだ感想
戦国時代末期から江戸時代初期にかけて、津軽地方を支配した津軽為信の生涯を描いた歴史小説です。
津軽為信は、本州最北の地・津軽に生まれた餓鬼大将で、母に「大将軍になりなされ」と言われて育ちました。彼は津軽を足がかりにして天下に覇を唱えようとしましたが、中央では豊臣秀吉が圧倒的な力で各地の大名をねじ伏せていました。為信は秀吉と対立しながらも、攻城や謀略、先手必勝という手法で版図を広げていきました。彼は元祖・旗印「卍」を掲げて戦い、地元では今も「髭殿」と呼ばれています。
この本は、為信の人間像や戦略を魅力的に描いています。為信は不良大名として憎まれましたが、その一方で人情に厚く、仲間や家臣にも慕われました。彼は自分の信念に従って生きた男でした。
南部信直、九戸政実等、同じ地域の武将としては、唯一関ヶ原合戦にも参加して、最後までしぶとく生き抜いた大名だと思います。
2023年:30冊目 評価:☆☆☆