jamsworldの徒然なる雑記帖

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「残照」を読んだ感想

久しぶりの田中芳樹氏の書き下ろし作です。
アルスラーン戦記の最後は微妙な感じでしたが今回の「残照」は、氏が得意とする中国歴史モノ小説です。
西の果てに沈む太陽を見たいとの夢を実現するためにはるばる遠征していくストーリーをモンゴル帝国の広がりにあわせてスケールする大きなお話でした。
あの時代に、アジア東の地域から地中海まで到達すること自体が奇跡だと思いますので昔の人はすごいです。
田中芳樹氏の長編は良いものがありますが、1冊で完結する中国歴史シリーズの小説も楽しかったです。

2023年:6冊目 評価:☆☆☆☆

 

七百以上の城を陥し「神人」と畏怖された不敗の男。 「海に沈む夕日を見たい――」モンゴル軍を率いた漢人武将は、 たった一つの夢を叶えるために地の涯を目指す。 歴史に埋もれた智勇兼備の名将の一生を描く! 中国史上ただひとり、陸路で地中海に達した武将がいた。男の名は郭侃。祖父の代からモンゴルに仕え、攻城戦と砲兵に長けた漢人だった。1253年モンゴル帝国は、イスラム世界の征服とさらなる領土拡大のため「フラグの大西征」を開始。37歳の郭侃は、15万の蒙古軍部隊長として西方遠征の途についた。新兵器「回回(フイフイ)砲」をひっさげ、瞬く間に各地を陥落させる。だがエジプトを前に、隻眼の猛将バイバルスが立ちはだかり……。