jamsworldの徒然なる雑記帖

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「田中家の三十二万石」を読んだ感想

戦国武将 田中吉政を主人公にした歴史小説です。
少しマイナーな武将ですが、最終的には筑後柳川32万石まで
昇り詰めるところは流石です。
ただ、残念ながらそのあとが続かなかったので、やはり
歴史は勝者(あとに残ったもの)が作るという典型で
歴史に埋もれてしまって、いまいち有名どころになれない
武将かなと思います。
「カワウソ」をモチーフに良い時と悪い時を予兆させる
ストーリーは良かったです。
岩井 三四二氏の歴史小説はいつもちょっと斜めからの
視点なので新しい発見があって読むと物語に引き込まれます。
ただ、物語の結末が少し悲しいところです。
結論は「家族が大事」ですね。

2021年:33冊目 評価:☆☆☆☆

「あんなしょうもない男が大名になれたのも、戦国というおかしな世の中のせいでござろうて」十六の歳に貧しい百姓から地元武将の小者となり、初めての禄は三石。しかし運と度胸に冷静さも併せ持ち、時に痛快に、時に歯を食いしばってついには筑後三十二万石の大名へと出世していく――。圧倒的な迫力の戦闘場面と魅力溢れる人物描写。読む者を惹きつけてやまない、著者の円熟の境地をみせる歴史小説の傑作。