2021-12-04 「海神の子」を読んだ感想 歴史小説 鄭成功とその家族の話です。長崎平戸は、田舎の隣町で非常に親近感がある場所です。その平戸で生まれて、明の時代の中国に渡って大活躍する「鄭成功」に関する物語です。もっと冒険物語としては面白く描けたとは思いますが、「鄭成功」その人の内面について丁寧に書くことで物語の深みが出ていたかと思います。いつの時代でも国を超えて活躍する人は存在していてそのような話を新しく知るという事は非常に楽しいです。2021年:41冊目 評価:☆☆☆☆ 海神の子 作者:川越 宗一 文藝春秋 Amazon 海賊”鄭家”の頭をつとめる母の迎えによって、平戸から大明国へ渡った福松。 鄭家は、割拠する海賊や東インド会社を下して東アジアの海を支配するが、清軍の侵攻により明は滅亡の危機に。 新皇帝と明の復興を目指す福松は、その功による名誉ある姓名を与えられ、さらに大きな野望に燃えるが―― 明日をも知れぬ海賊が、どこにもいられぬ者たちのために戦う。 「国性爺合戦」のモデルとなった英雄・鄭成功を新たな形で描く。